人事部と一緒にこだわりぬいた新人社員研修
今年も多くの企業の研修担当者と対話を重ねて参りました。研修の現場から見えてくるヒントや得られる課題から、どのようなテーマやプログラムを企画すればよいか、その議論を通じて実現した研修をご紹介致します。
どの研修会社でもマナー研修は実施しております。
電話応対、名刺交換、言葉遣い等々、内容は、それほど大きく変わりません。
そのためいたずらに、プログラムを並べたところ、企画のプロである人事担当者の
皆さんがご覧になってもあまり意味がないと考えました。
むしろ、講師の力量、内容企画のスタンス、お客様との相性によるところが
本音として、大きいと思います。そこで、どのようなコンセプトでマナー研修を
実施しているか、「考える」ビジネスマナのコンセプト、着眼点をご紹介します。
① 臨機応変に望ましい挨拶の言葉を選び、声の大きさを調整できるように「考える」
② 様々な場面、お相手に対する挨拶を選ぶ瞬発力を「考える」
③ 経験の浅さから、格好や体裁を取り繕うとした発言や行動をしていないか「考える」
④ 指示を理解し意識したことを行動に表現していくのかを「考える」
⑤ 仕事は丁寧さだけではなく、スピードや周囲との歩調を意識し観察することを「考える」
⑥ どこかで聞いたり、書いてあった言葉を引用せず、自分の言葉を使うことを「考える」
⑦ 「できているつもりになっていないか」「いい加減になっていないか」を「考える」
⑧ 身体の締め方や発声の仕方が甘く、だらしない挨拶や辞儀かどうか「考える」
⑨ 皆の前で声を出すことは「恥ずかしいことなのか?」を「考える」
⑩ 小さな誤りも互いに許さない姿勢の大切さを「考える」
⑪ 日誌の書き方や、ビジネス文書の書き方が相手目線になっているかどうか「考える」
⑫ 配属先での臆することない質問、報告、連絡、相談ができているか「考える」
⑬ 体現、表現、発言しなければ、学んだことを理解したことにはならない点を「考える」
⑭ 揃えるという「様式美」の認識があるかどうかを「考える」
ビジネスパーソンとしての「読み・書き・そろばん」を軽視してはいけません。
本プログラムはまさにこの「そろばん」にあたるものであり、社会人として
活躍できるためのベース作りを行います。
「そろばん」とは、いわゆる「会計」ではありません。ビジネスの
様々な場面において数字を使いこなすリテラシーのことです。
『文系だから』 を言い訳にせず、正解があった数学の問題を解いていた
「学生脳」から、正解のないビジネスを数字の力を使って前に進める
「ビジネス脳」へと変換させることが最終ゴールです。
1.ビジネスで必須となる5つの能力(把握、分析、選択、予測、表現)を、数字を使って行うことができるよう、ベーシックな数的スキル(数字を使って物事を考えたり、表現したり、説明できる能力のこと)を習得させます。
午前 | 午後 |
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1. オリエンテーション アイスブレイク 本研修の目的 (なぜビジネス数学なのか) ビジネス数学とは何か 数的スキルによって何が可能か |
4. 数字を使って予測する 予測は外れることもある 移動平均を使ってトレンドを予測 前年比から未来を予測 フェルミ推定 Google入社試験問題にチャレンジ |
2. 数字を使って把握する 売上を評価せよ シェアを把握せよ 論理的思考を身に付けよう 営業部長のミスを指摘せよ |
5. 数字を使って表現する こんな説明・報告をしていませんか 今さら聞けない、グラフの使い分け 余計な情報を入れない 5分間で上司や取引先を説得しよう |
3. 数字を使って分析する データと情報は何が違うのか 損益計算 損益分岐 赤字案件を撲滅しよう |
6. 総合ワーク <例> ある企業の現状を分析し、 とるべき施策を選択し、半年後の予測を 上司に5分以内で説明し、合意を得る |
7. エンディング まとめ 質疑応答 |
例えば、サッカーのルールが分からないのに、どうして
試合をすることができるのでしょうか?
会社法とは、会社で働く(プレーする)ルールです。
例えば、「取締役」って何ですか?
「代表取締役の『代表』とは何ですか?」
会社のルールも知らない、情けない大人を作らないために
新入社員に、これから長い人生を捧げる会社の「ルール」である、会社法の基本的な考え方や、仕組みを理解していただきます。細かなルールへの深入りは避け、「なぜ、このようなルールが必要なのか?」を自分たちで考え、納得しながら、整理して理解を促します。 丸暗記の学習方法は、全く意味がありません。 是非、考える力と問題意識の高い若手の育成を会社法を通じて目指します。
午前 | 午後 |
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1. 会社法とは 会社法では何を定めているか 会社法の特徴 |
4. コーポレート・ガバナンス 1. コーポレート・ガバナンスはなぜ必要か 2. 3つの監査 3. 内部統制-会社法と金融商品取引法 4. 内部統制の不備の実例 【グループワークによる演習】 |
2. 会社とは何か 1. 会社の定義 2. 会社の種類 所有と経営 有限責任と無限責任 3. 株式会社とは 4. 株式とは 【グループワークによる演習】 |
5. その他の重要テーマ
1. 資金調達 - 基本技は3つ 2. 配当 - 一定の限度がある 3. M&A - その具体的手法と特徴 4. 子会社・関連会社 - 一体性が求められる時代へ |
3. 会社の機関 1. 機関とは 2. 機関の種類 3. 株主総会における決議方法 4. 代表取締役とは 5. 取締役の権限と責任 6. 監査役の権限と責任 【グループワークによる演習】 |
ビジネスパーソンとしての「読み・書き・そろばん」を軽視してはいけません。
多くの企業において、新入社員や内定者、若手を対象に、「簿記」会計入門の研修が実施されています。 しかし参加者の多くは「ぼんやりと分かったような、分からないような」理解に留まり、結局はそのまま忘れたり、あるいはせっかく努力して簿記3級を取得しても、本当には会計を理解していないために、やがて忘れてしまう、あるいはいつまでも決算書が読めるようになれない、といった例がこれまで多かったのではないでしょうか。
簿記を学習する究極の目的は、「コミュニケーション能力を高める為」であることを理解して頂きます。仕事を通じて自分のビジネスコミュニケーションに責任を負える人になることです。
会計を学習する目的や、仕事において普段から会計をどのように使っていくのか、瑣末な会計知識は極力省略し、様々な角度から会計と仕事について問題提起し、一人ひとりに会計を学ぶ目的を正しく理解していただきます。
本研修のアプローチの効果は既に多くの企業の成功例で証明されています。簿記においては、わずか7時間程度の解説で、会計の論理を「はっきりとシンプルに」理解することによって、「何となく分かった」ではなく、「完全に分かった」状態になって頂きます。カバーする範囲は最重要項目に限定しています。本研修を受けた後で例えば簿記検定の勉強をすると、立ち止まらずスラスラと進めます。簿記検定を受けない方も、本研修を受けることによって、実際に貸借対照表、損益計算書が「読めます」。そうなると今後仕事の上で「読む気になります」。
午前 | 午後 |
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1. なぜ、私たちは会計を学ぶことが必要なのか? -会計を学ぶ目的 ・数字に強いビジネスパーソンとはどんな人ですか?【演習】 ・数字から逃げる人、数字を追いかける人の10年後 ・「会計」を学ぶ目的は、コミュニケーションに責任を負うこと |
4. BSアプローチで学ぶ会計入門 ・資産:「従業員は、資産ですか?」 ・負債と資本 ・B/Sの左と右 ・B/Sの動きを直感的な理解で体得!【グループ演習】 ・損益計算書(P/ L) |
2. 会社とは?会計とは? -やさしく会計を学んでみよう ・会社は他人のお金でビジネスをしている ・上場していることの意味は分かっていますか? ・企業の目的って何? -目的とあなたの役割を考える |
5. 財務諸表の最低限、押さえるポイントと用語の意味 ・貴社の決算書の勘定科目を一気に解説 -主要勘定科目の意味と読み方もこれで解決 ・あなたはどれくらい会社に貢献しなければなりませんか? ・これを機会に相手の決算書も読める ・キャッシュフロー計算書のポイント ・会社の目標を理解しよう -中期経営計画と数字(売上総利益、ROE 他) |
3. 経理の仕事を通して見えてくるもの ・お金で買えないものがある・経理部とはどんな仕事をしているのか・財務諸表には、経営者の想いがたくさん詰まっている ・企業の会計の役割・財務会計と管理会計との違い |
6. こんな先輩になってはいけない。会計を「なんとなく」学んできた大人たちの功罪 ・ 会計をわかったフリをする大人になるな。 ・雰囲気で会話をしていませんか?-恥をかく大人の言葉遣い ・なんとなく会計用語を使うとプロらしく見える錯覚と落とし穴 ・安易に「コスト」「粗利」使わないでください。言葉の重みを理解していますか? |
7. まとめ ・これからビジネスを行う上で必要な能力を伝えます -商売の嗅覚とセンス ・会計はあなたのコミュニケーション能力を高める |